サイレントキラーと呼ばれる糖尿病

怖いことに「サイレントキラー」とも言われる糖尿病は、ほとんど自覚症状がありません。
そのため、多少血糖値が高い程度では全く気付かない人がほとんどなのです。

ということは、言い換えるとはっきりとした症状が出た時には、糖尿病が既に進行してしまっている状態、もしくは急に悪化した可能性があると考えられます。

では、はっきりとした症状がどのようなものかというと、

・喉が渇く
・体がだるくて疲れやすい
・尿の量が増える
・食べてもやせる
・手がしびれる
・視力が悪くなる
・こむら返り

などです。

これらの症状をそのままにしておくと、話しかけても返答がないなどの意識障害、昏睡を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

また、自覚症状がないからと言って、糖尿病をそのまま放っておくと、高血糖の状態は全身の大小様々な血管や臓器に障害をもたらし、合併症を引き起こしてしまいます。

糖尿病の怖さはこの合併症にあるのです。

糖尿病の三大合併症

神経症

神経症は、三大合併症の中でも一番初めに出てくることが多い合併症で、上記で紹介したような手足のしびれ、めまい、立ちくらみ、足が冷えるなどなどといったものです。

これら神経症に効く薬は、昔はありませんでしたが、最近ではよく効く薬も出てきております。

網膜症

そして、一昔前までは糖尿病といえば、それが原因で最後は失明すると言われていました。
糖尿病の人は眼底の血管が障害されて視力が落ちてしまったり、出血を起こしてしまって一部の視野が狭くなってしまったり、最悪の場合見えなくなってしまうこともあります。

これを糖尿病網膜症というのですが、最近では眼科に定期的に通い、適切な時期にレーザー治療などを行うことで視力の低下を抑えることもできると言われています。

腎症

最後に糖尿病腎症ですが、日本で人工透析になる人の過半数が、糖尿病性腎症が原因と言われています。
腎移植を行わない限り、1回4時間の治療を週に3日程度、一生続けなくてはいけません。

初期には尿アルブミンが見られますが、進行していくと尿たんぱくが見られるようになります。
尿アルブミンまでであれば治療をする事は可能ですが、尿たんぱくが出始めるとその進行を戻すことは難しいです。
これ以上進めないようにするための治療が必要になります。

他にも合併症はあるのですが、この三つに関しては糖尿病の人だけがなると言われており、糖尿病の三大合併症と言われています。

糖尿病の慢性合併症の中には、大きく分けると細い血管にみられる合併症(細小血管障害)と、太い血管にみられる合併症(大血管障害)の二つがあり、三大合併症は細小血管障害にあたります。

その他の合併症

では、その他の合併症として他に何があるのかというと、大血管障害である心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる動脈硬化症、その他には歯周病糖尿病性足病変などがあり、さらに最近では認知症ガンにまで確実に影響を与えることが分かってきています。

これらの合併症を未然に防ぐためには糖尿病の治療を行うことが必要なのです。
自覚症状がないからと言って放っておくと合併症を引き起こしてしまいます。

また、糖尿病に対する不十分な知識や治療は、良い結果にはつながりません。

専門医や専門の医療機関でしっかりした指導を受け、正しい治療を焦らず続けることが最も大切になってきます。
ですので、定期的に健康診断を受けたり、糖尿病チェックをするなどして、怖い糖尿病のリスクから体を守って頂ければと思います。