腎臓・泌尿器について

つつじ内科 高v腎臓病の症状の初期には自覚症状があまりありません。

あるレベルまで悪くなった腎機能は慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)と言われ、ほとんど治ることはありません。

放置することで更に進行し、取り返しのつかない状態になってしまうかもしれませんので、早期の検査をおすすめいたします。

腎臓の病気が疑われる症状

  • 手、足や顔がむくむ

    前述の通り腎臓の病気によって尿からたんぱくが失われてしまう病気をネフローゼ症候群と言います。
    原因は複数あり、原因をつきとめるために精密検査が必要です。

  • 夜間よくトイレに起きる

    機能の低下した腎臓は、濃縮した尿を作ることができず、日中に余計な塩分などを排泄しきれないためや、夜間に濃縮した尿を作ることができないために薄い尿を作ります。

    寝る前にあまり水分をとっていなくても、夜間何度もトイレに起きるのは腎臓病のサインかもしれません。
    それ以外にも前立腺の病気過活動膀胱など泌尿器科の疾患が隠れている場合があります。
    お困りの際にはぜひ当院でお気軽にご相談ください。

  • 尿が泡立つ

    正常な尿でもみられますが、いつまでもビールのような泡が消えない場合は尿蛋白、尿糖の可能性があり糖尿病、慢性腎臓病が疑われます。
    早めの尿検査をおすすめします。

  • 健診での血尿、たんぱく尿

    腎炎尿管結石、膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石、悪性腫瘍の可能性があります。
    お早めの再検査をおすすめします。

    泌尿器疾患の場合は、必要な際には提携医療機関へご紹介いたします。

腎臓って何をする臓器?

腎臓とは背中側に左右一つずつある臓器で、からだのなかの老廃物や毒素、余分な水分やミネラルを調節しながら尿として排泄し、血液をメンテナンスする重要な臓器です。
その役割は大きく分けて4つあります。

1. 尿を作り、排泄する

尿を作るために最初に腎臓で血液から濾過される尿(原尿)の量は180リットルにも及ぶと言われています。
それだけたくさんの量の血液を濾過するため、腎臓はたくさんの血管でできています。

腎臓は血液中の成分を監視し、そのなかから必要なもの、不足しているものを90%以上再度血液に戻し、毒素、老廃物などはそのまま尿として排泄されます。
これらの機能が失われると、必要なものが排泄されたり、不必要な老廃物が蓄積し、尿毒症などさまざまな合併症を引き起こします。

2. 血圧の管理をする

血圧は血液の中の水分量や塩分量で決定されます。
前述の通り、腎臓は尿を作る過程で水分や塩分を尿として排泄する量を調節し、血圧をコントロールしています。

同時に血圧を維持するためのホルモンを分泌し、血圧が下がってしまったときの血圧の維持をおこなっています。
これらの機能の低下により高血圧を引き起こすことがあります。

3. 骨をつくる

カルシウムは御存知の通り、骨の成分ですが腎臓はカルシウムを吸収するために必要な活性型ビタミンDを産生しています。
腎臓が悪くなるとカルシウムが吸収されにくく、リンが尿中に排泄されにくくなります。

カルシウムとリンの関係が崩れることにより、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることとなり、骨からカルシウムが溶けだしていっていしまいます。

骨はもろくなりさらにリンの濃度も上昇します。
リンが多く血液中にあるとカルシウムと結びつき血管に石灰化が生じます。

これにより動脈硬化が進行すると、もろく硬い血管となってしまいます。
進行した慢性腎臓病の方ではこの石灰化がさまざまな合併症を引き起こします。

4. 血液をつくるホルモンを産生する

酸素を運ぶ成分である赤血球を作るためのホルモン、エリスロポエチンを腎臓で産生しています。

赤血球自体は骨のなかで作られますが、このホルモンがないと作れなくなってしまうため、腎不全になると貧血になってしまいます。
これを腎性貧血といい、定期的にホルモンの補充注射を行う必要があります。