糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3大合併症のひとつである神経障害や、動脈硬化などが起こります。動脈硬化は血流障害をおこし、結果、足にさまざまな異常が出やすくなります。

また、高血糖の状態はからだの抵抗力を落とすため、細菌感染がおこりやすくなります。

さらに、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などにより視力が低下してくると、傷などの足の変化に気づきにくく、放置したまま足潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)などの重大な病変(糖尿病足病変)に進行してしまうことがあります。

このように糖尿病患者さんでは、たこ、まき爪、水虫、乾燥、ひび割れなどが起こりやすく、重症化しやすいため、注意が必要です。小さな変化も糖尿病足病変の予防には大切です。

大切な足を守るためには、血糖値を良好にコントロールするとともに、ご自身の日々のお手入れ(フットケア)がカギになります。ご自身の足の状態を知り、その状態に合わせた方法で手入れをしていくことが大切です。

普段から足に傷を作らないよう細心の注意をはらい、毎日よく足を観察して、ケアを行うことで糖尿病足病変を予防することができます。

一度自分の足の状態を専門の看護師と一緒に確認してみませんか?外来受診の際にお気軽にご相談下さい。

 

足のチェックポイント

●足の色を見よう
黒っぽい色をしている…チアノーゼを起こしていることも考えられます。(→内科を受診しましょう)

●足の温度はどうか
冷たすぎる…血液の循環が悪くなっています。痛みを感じにくくなっていますので、異常を自覚しづらくなります。
赤くほてっている…炎症が起きている可能性があります。見えないような小さな傷が原因で、足全体が腫れていることもあります。

●かかと
ひび割れがある…足全体の角質が厚くなるような種類の水虫も考えられます。水虫といってもかゆみが少なく、季節的な変動も少ないので自覚がありません。(→皮膚科を受診しましょう)

●指と指の間
皮がむけていてかゆい…水虫の可能性が大きいです。水虫は薬指と小指の間に最初にできます。(→皮膚科を受診しましょう)

 

つつじ内科クリニック 糖尿病療養指導士看護師

鈴木